[0039]北岳バットレス・第四尾根

1000ルートの報告
メンバー:KINO、NK(会員外)、AK(会員外)
ルート:北岳バットレス第4尾根
1p Ⅳ+ クラック~スラブ
2p Ⅱ 土のバンド~階段状の岩場
3p Ⅲ 緩傾斜のクラック
4p Ⅲ フェイスからのリッジ/Ⅳ+三角形の垂壁~リッジ(マッチ箱からの懸垂下降)
5p Ⅲ カンテ上のクラック/Ⅲ+ カンテ
6p Ⅲ ナイフリッジトラバース
7p Ⅳ 城塞ハング
日時:7/28(広河原~第4尾根取り付きテラスでビバーク)
7/29(第4尾根マルチ7pスタカット登攀~北岳~広河原ツエルト泊)


【感想】

第4尾根主稜は北岳バットレスの一番の人気のルートであり、また難易度もそこまで高くないとの事でアルパインクライミングやり始めた頃から目標にしていました。

最近は白根御池小屋をベースに宿泊するのが一般的なようですが、暗闇の中で第4尾根の取り付きまでのルーファイに自信がない事と、「前日にアプローチを下見する」という作戦がどうしても2度手間と考えてしまい、明るい初日に第4尾根まで取り付くよう計画を進めました。

私にとっては初めての経験となる宿泊装備を担いでクライミングとなります。

初日の天気予報は午後から雷雨予報でした。2日目の天気が快晴予報だけに、雷予報が上手く外れてくれることを期待して登り始めましたが、不運にもBガリー大滝1p登攀中に雷雨にあう。生まれて初めて岩登り中に確保しながらの待機中は「敗退」が頭を過ぎる。幸い15分くらいで雨が止んでくれて登攀再開。普段は水が流れない大滝をシャワークライミングする経験が出来ました。

濡れた岩に怯えながら何とか初日のビバーク地点に到着して間もなくまた雨。貧祖な食事、濡れたツエルト、濡れたダウン、斜めの斜面は気を抜くと滑りツエルトから足が出て、震えながら永遠とも感じる夜を過ごす。寒さと空腹に耐えられず、夜中の3時頃に食べたカップラーメンがたまらなく美味しかった頃にようやく眠りにつけました。

眠りについたころ、空がだんだん明るくなったことに気が付き目覚める。日本最高峰のシルエットに見渡す限りの雲海。そして明るく出てくる日の出の温かさは昨日の過酷さを全て帳消しにしてくれるエネルギーでした。

準備して早速登攀開始。何より人気のルートに一番に取り付ける優越感。宿泊装備が入ったザックにアップ無しで登る

1p Ⅳ+ クラック~スラブは個人的に核心と思っていましたが、滑る斜面やクラックに上手く足を乗せられ登れた時は、千石岩で一生懸命クライミング練習して良かったと思えた瞬間でした。

2p~3p問題なし。
4pのフェイスはここまでフリーで突破してきましたが、「今日はアルパイン」と自分に言い聞かせてA0を多用し突破する。マッチ箱からの懸垂下降をする頃には、荷物の重さを忘れ、北岳バットレスを楽しんでいる自分がいました。

5p Ⅲ カンテ上のクラック/Ⅲ+ カンテ~6p Ⅲ ナイフリッジトラバースからは、最終ピッチ目前でルートの性格が変わり、これまでのマルチピッチルートを締めくくるにちょうど良いアクセントでした。楽しさの絶頂を迎えたころに7p Ⅳ 城塞ハング。
それほどカブっている印象を受けませんでしたが、大きなザックがつっかえたので、チムニーから思い切って体を外に出せたら簡単に登れました。

これにて北岳バットレス第4尾根は終了。
お花畑のビクトリーロードを経て、20分ほど歩けば北岳の山頂です。

これにてひとつの目標にしていた北岳バットレス第4尾根は、フル装備・オールリードで完登でき思い出深い記憶になりました。

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