2021お盆山行 尾上郷川 別山谷 カラスノ谷 その1

2021年8月11日~12日  参加者 記たじまる(京都岳人)YNS(大阪わらじ)


「滝、ゴルジュ、草付き、壁と、沢登りの魅力がすべてきちんとおさまっている。白山を代表する名渓と言ってよいだろう。」

日本登山体系 白山の谷 より

オッサンたちの夏休み2021 4年に一度はハズレ年!?お盆の恒例山行に行ってきた。今回も天候ハズレ年ながらなんとか雨の合間を縫って行ってきました。

8月10日 前夜発22:00石山出発。 石徹白道 の駐車場に到着翌AM1:00(車中泊)

8月11日  石徹白道 駐車場(5:00)ー神鳩ノ宮避難小屋(6:30)ー下降点(6:55)ー 別山谷(10:30)ーモミクラ谷出合(13:00)ー最後の10m滝(17:55)ー1650m付近の幕営地(18:30頃)

今日は長期雨予報の中、貴重な気圧の尾根にかかった1日だけの晴天予報。この晴天を生かすべく、早めの出発。石徹白の特別天然記念物の大杉を眺めつつ神鳩ノ宮避難小屋へ。

特別天然記念 樹齢1800年大杉
神鳩ノ宮避難小屋

小屋からは登山者の話し声が聞こえていた。小屋をスルーして北東方面に別山谷に向かって伸びている沢を下降。小屋からの登山道を少し進んだところにある鞍部から藪こぎに突入して沢に降りた。実は黄色のテープが巻いてあったようだが気づかず。(帰りに発覚)適度な藪漕ぎをしつつ下降するとなんとなく沢になってきてそれがだんだんと広くなってさらに沢らしくなってきて景色もひらけてくる。途中、1回だけ懸垂下降をする。うまい具合に曲がった木があったのでそれを利用させてもらって懸垂。そのまま機嫌よく谷を降りていけると思ったのだが、ここで想定外の事態!?谷を埋め尽くす倒木!倒木!倒木!なんじゃこれは~?昨日は台風並みの風が吹いたと(あとで)きいたが、それで倒れたのか?よくわからないが、谷を埋めつくす倒木にえらく苦心しつつ下る。

谷を埋め尽くす倒木地帯を振り返る

倒木地帯を抜けたあたり、谷をそのまま降りてしまうとゴルジュ帯に入るため、それをかわすために右へトラバースして(標高1250m~1300mくらい)尾根を越えて一本東にある谷に移る。これをやらないと懸垂支点にも困るような滝が連続するらしく、懸垂失敗による死亡事故もあったように聞いていたので情報は大事です。

1本右の谷へのトラバース

トラバースをおえて右の谷に入るとあとは難所もなく30分ほどで別山谷に降り立つことに成功した。

前日までに降った雨量と明日からの天候の悪化も考えて、場合によってはここで引き返す選択もありか?とおもいつつここまで下ってきたが、水量は多いものの遡行できないほどではないと判断してそのまま進むことにする。かなり釣りにくかったが、そこからはしばしの釣りタイム。釣り師匠と流れのゆるやかな部分を狙いながら釣り上がる。うまくイワナが2匹ゲット(最低限の食料!)できたので釣りを切り上げて先を急ぐ。

別山谷に降り立つ
イワナを最低限!?いただく

やがて少しわかりにくいが、モミクラ谷との二俣をむかえてそこからは左のカラスノ谷に入る。

モミクラ谷出合を振り返る

カラスノ谷に入るとだんだんと明るいV字谷になってきて滝も連続してくる。北国特有の美しい谷、、、ん?前回のチョーゲージ谷での高巻悪夢?がよみがえる。。。。

美しい渓相

今回は高巻きを極力したくない思いからギアを多めに持参した。しかし心配するほどでもなく、ロープの出番がないままズンズン進む。途中で滝壺がハングしていて取り付けなさそうな滝が出現してこれは左岸から巻いた。もうひとつ、これも出だしがハングしている滝があり、これも左岸より巻く。

出だしがハングしている滝のひとつ

そして最初のロープ使用ポイント。平水であればなんともなさそうな滝であるが増水しているのでやばそうと判断してロープを出す。おそろしげな水流を潜ってYNS君がリードで突破。フォローでつづくが出だしの一段が左足をあげるたびに激流に体がもっていかれてかなり苦労してなんとかあがる。ボルダーしといて良かった。怖いよー

激流を突破するYNS君

その後も滝がちょこちょこ出てきて極力直登をしつつ、雪渓なんかも出てきたりしてこれまた駆け足で雪渓を潜る。

当たらなければどうと言うことは無い!

シャア・アズナブル
雪渓がまだ残っていました

そして終盤戦、ひとつの滝にあたったとき、突破口がなかなか見出せずにいたが、なんとか登れそうなラインをみつけて滝を左から小さく巻く。ロープを出して滝を巻き登ったYNS君がしばらくウロウロしている。どうしたのだろうか?すると「こりゃあかんで!」とハーケンを打って降りてきた。どうしたのかと聞くとこの先に絶望的な3段のゴルジュがある、という。あとで見てみると平水時では「大股開き」で直登が出来るゴルジュだったようだ。とても登れない様子とのことだったので右岸から大きく巻く。前回山行で鍛えられているのでこの程度の巻きはどうということはない。

3段のゴルジュをまとめて巻いたその先にはでかい滝が!これが最後の滝だろう。

最後の滝

今日の晴天をいかすべく、ここまでつっこんできたがなんとかこの滝さえ終われば核心は越えられそう。滝身の右を登れそうな感じだったのでロープを引いて登りだす。しかし意外と傾斜が立っていてちょっとマゴついて想定していたラインの左に逸れてしまった、進もうとしたが岩がもろく、持っていたガバがバコッと外れたところで軽くパニくっってしまい、必死のクライムダウン。心を落ち着かせ、ラインを見極めたうえで再度腹を決めて登攀開始。支点はまったくとれないが、途中、申し訳程度のハーケンがあり、ランナーをとって精神的に安定し、無事突破できた。今日イチ怖かった~

最後の滝を登る

さて時間はもう18時。いくら好天を生かすべく可能な限り進んできたといえども、さすが幕営地をさがさなければならない。幸い、最後の滝のすぐ上に幕営適地があり、マキも濡れているながらも必要量はありそう。YNS君が得意のタープ張り、私はマキ集め+ごはん準備。前日までの雨で過酷な条件ながらなんとかかんとか焚き火も安定し、ほっと一安心。タマゴタケの炊き込みご飯、チチダケの砂糖醤油炒め、釣った岩魚、そして持ってきた鹿肉背ロースでなんやかんやで超豪華な晩飯となり、長時間行動の疲れを癒してエネルギーを完全充電できた。特筆すべきはドラッグストアで買ってきた赤ちゃんが飲む粉ミルクで作ったネパール風チャイ。うまい!「酒よりうまいやないかーい」やはり男はおっぱいに弱いのであった。

イワナのムニエル
タマゴダケとチチダケの砂糖醤油炒め(絶品でした)
鹿肉背ロースのステーキを食う師匠
焚き火を眺めながらオッパイ・ミルクティー

次回に続く!

コメント

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